物件の印象は写真で決まります
少し、思い出してみてください。皆さんが今住んでいる物件を探していた時、どんな情報を参考にしていましたか?間取りや、周辺環境などの情報はもちろんですが、やはり物件の印象を大きく左右したのは、その物件の写真だったのではないでしょうか。
写真は文字だけでは伝えきれない情報を豊富に含んでいます。広々と見える写真、明るい写真、清潔感のある写真、生活のイメージが伝わる写真を撮ることができれば、不動産を探しているお客様に、よい印象を持っていただけるのは間違いありません。
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が2019年に行った「不動産情報サイト利用者意識アンケート」によると、不動産会社を選ぶ時のポイントのナンバーワンは「写真の点数が多い」で70%近くの人がポイントとして挙げています。また「写真の見栄えがよい」をポイントとして挙げる人が30%近くにのぼっており、不動産選びをする上で、写真の重要性が非常に高いことを物語っています。
高まるスマートフォン利用率、20代では5割以上に!
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が2013年に行った「不動産情報サイト利用者意識アンケート」によると、検索ツールの主流は未だにパソコンであるものの、そのポイントは前年に比べて低下し、代わってスマートフォンの利用率が急上昇しています。20代では27.5ポイントもの上昇がみられ、その5割以上の人がスマートフォンでの検索をしていることが分かりました。
また、物件の問い合わせのときに、「参考になる」と思う情報のトップは「物件の写真の種類(撮影された箇所)が多い」で、80.4%の高ポイントとなっており、続く2位3位の情報も物件の写真に関するものとなるなど、お客様が物件を選ぶ際の基準に「写真掲載の有無」「物件写真の質の良し悪し」が大きく影響していることが明らかになっています。
つまり、これからの不動産情報サイトは、「掲載物件の写真が豊富で質が良く、スマートフォンで見やすい」サイトであることが求められています。言い換えれば、不動産情報サイトに載せる写真は、スマートフォンで見たときに十分閲覧できるようなものであればいいのですから、スマートフォンで撮影しても良いわけですね。さらに、上手に物件の写真を撮ることが出来れば、それだけお客様のニーズに応えた良いサイト作りに繋がります。
スマートフォンで上手に物件を撮影する方法
こういったことを踏まえて、このコンテンツではスマートフォンでの「失敗しない物件撮影の方法」と「キレイに印象的に物件を撮影するための撮影術」を、
- 「物件の写真を撮るその前に」
- 「広々とした写真を撮るために-構図・フレーミング-」
- 「明るくて気持ちのよい写真を撮ろう-明るさ・ホワイトバランス-」
という、3つのポイントにわけてお伝えします。
高性能化するスマートフォンのカメラ
ところで、そもそもスマートフォンのカメラで本当に良い写真が撮れるのか、という疑問を持つ方も多いかもしれません。しかし、最近のスマートフォンは画素数も十分なものが多いですし、センサーやアプリも非常に洗練されているので、基本に忠実に丁寧に撮影すれば綺麗で十分に使える写真を撮ることができます。
少し前までは、スマートフォンのカメラは撮影できる画角が狭く、不動産の撮影には向いていないのでは、という声もありました。しかし、近年のハイスペックなスマートフォンでは、これまでプロカメラマンの専売特許のように扱われていた超広角レンズの画角をカバーするレンズを搭載したモデルも数多く発売されるようになり、広い部屋はより広く、コンパクトな部屋でも全体を見渡せるような写真を撮りやすくなってきています。
スマートフォンのカメラが持つ最大のメリットは携帯性のよさと簡単な操作、手軽さです。一方、軽くてコンパクトな故に撮影する位置によってはシャッターを押しづらかったり、安定した構えをとりづらいことがデメリットとなります。安定するスマートフォンカメラの構え方なども後述していきますので、ぜひ参考にしていただき、物件の気になるポイントではとにかくシャッターを押してたくさん写真をとり、不動産サイトに掲載する写真の質と量をしっかりと確保してください。
では早速、スマートフォンカメラで失敗しないための撮影方法を教えていきます。
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